い空

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店に入ると―――
黒いスーツを着こなし髪をびしっと固めた人が出てきて修二様に声をかける。
その姿がなにか私には遠い世界に見える。

「いらっしゃいませ、今日はどのような?」
「この子に合った飾りをつけてやろうと思ってね。それからいつもの飼育用の貞操帯もこの子専用のを作りたいんだが―――今回は拡張をやってみたいと思っていてね。」
「ほほう、なるほど。拡張と申しますと女性器の拡張でございましょうか、それとも後ろの方も、と言った形でしょうか?」
「両方だな。」
「なるほど、どのぐらいまでのご予定ですか? 限界に挑戦なさるのであれば専用の医療機関を利用なさる方法もありますよ。それともサイズにお悩みですか? お客様を最も楽しませられるようなサイズに訓練する道具もございますよ。」

私は修二様の後ろに付き従い、袖をそっと持って立っている。
今、この瞬間も私は犯されたまま。こんな大量の責め具の中で感じさせられていると気がおかしくなりそうだった。

「この子はなかなかいい子でね。」
「ほう」
「結構躾けてあるし、随分と長いこと貞操帯で辱めているんだが足を広げてセックスを要求したりもしないし自慰に走ったりもしないで、さっきの車の中でも足をそろえてじっとしているぐらいなんだ。」
「それはそれは―――よいお嬢様ですね。」
「そんなこの子の特性を活かした育て方をしたいとおもっていてね。」
「なるほど。」

修二様が一歩前に出てそのスーツの店員に顔を近づける。

「―――なんだが、―――を―――――して――――――――――――、――――――しようと思うんだ。」
「ほうほう。」
「――――が、―――――――――――のさ。どうかね?」
「それはよいお考えです。それには微妙な調節が必要ですね。お任せください、こちらにはどれぐらいの滞在のご予定ですか?」
「三ヶ月だ。」
「承りました。」

私が耳を傾けたときにはもう話は終わり、
うまく聞き取れず、私は思わず話の内容を修二様に聞いた。

「あの、私―――」
「とりあえずは採寸だけだ。」
「は、はい…」

その日―――
私は店で新しい貞操帯のあれこれを見てもらうことになった。
更衣室や、それこそ最低限調教用の部屋みたいなところにすら案内されることなく、まるで靴屋で試着でもするように卑猥な道具が陳列されたその店の片隅で、当たり前のように手錠を後ろ手にかけられるとスカートをまくられる。
とても普通では考えられないようなことをされているのに、それを是とするだけのものがそのお店にはあった。

まるでこれから陵辱行為でも受けるのではないかというような状況に涙目になりながらもスーツ姿のその人が私の貞操帯を外していく。

まともに巨大なディルドーの入ったあそこ。
それをいじられていると、私がその人に犯されているかのような錯覚を受ける、それにホンモノの快楽が私を追い詰め、恥ずかしさに私は泣きそうになった。
それでもその人は粛々と「作業」を続け、私の体のサイズを測ったりしていた。
試着とばかりに貞操帯をあてがわれる度、私の体には巨大なディルドーの挿入が繰り返され、次第に私は下半身は恥ずかしい愛液で濡れていく。

「楽にしていてくださいね。」
「…は、はい。」

そうはいわれても両手は繋がれているし、
それでなくてもディルドーを長いこと入れたままの私は、セックスさながらの感触を与えられとても我慢が利くような状態ではない。
それでもわずかに残っている理性で意思をつなぎとめた。

「んぐっ、はぁ…」

しばらくすると調整が終わり―――
いつの間にかガチンという音がする。

「あ、あの、なんか―――」
「今までより一回り大きなディルドーになっています。気持ちいいでしょう? 前のものよりずっとペニスに近い感じ方のはずですよ。それに無理さえしなければ太さと長さは女性の悦びですから。」
「ひゃっ…」
「これから少しずつ大きいのに変えていきます。」

気づけば、私の体には貞操帯が元通り施錠されている。
いわれたとおり体の中には今まで感じていたものより一回り―――それでもぐっと大きく感じるそれが私の体の中で確かな存在感を示している。

「今日の夜は、あの方とご一緒ですか?」
「え、あ、はい―――多分…」

そう聞かれると―――
もはや刷り込まれたようにいやらしいことを考えてしまう。
抱かれること、激しく突き上げられることを想像し私は思わず恥ずかしい女になった。

「はい、今日はここまでですよ。」
「…はい。」

私はそういわれ手錠をはずされるとスカートを下ろし。
恥ずかしく責められた体をその下に隠すと、修二様の下に戻るでもなくお店の中の方へと戻って興味があるわけでもなくフロアのものを眺める。

バイブ、ディルドー、ローション…
そういった卑猥な器具が霞むほどに並べられている器具は見慣れないものだった。
一つ一つに丁寧に説明が添えられ、読めばそれがなにかということはわかる。視界を完全に奪う真っ黒なコンタクトレンズや、海外の警察が使用しているという重く頑丈そうな手錠の数々。
私が身につけているような貞操帯もあり、札には「性奴教育に欠かせない一品、お勤めを終えた子へのプレゼントにもお勧めです」などと書かれている。
言葉の意味を想像すればこの器具がどんな用途で使われているか容易に想像できるというものだった。

「お一人でも好きなときにいらっしゃってくださいね。ひいきにしていただければ、男性でも衣装でもお望みのものをフリーで“お貸し”します。」
「フリー?」

少し歩いた衣装売り場のようなところで立ち尽くしていると先ほどの店員から小声で声をかけられる。
私が聞き返すと少し間をおいて声がした。

「無償でということです。昔から将を射んとすれば―――と言うとおり、あなたの身に着けた姿を気に入っていただければ、ご主人にお支払いいただくというわけですので、店のものはどうぞご自由に」

その声が終わるとすぐに私の姿を見つけた修二様が私を連れに来た。
行く先はホテルだという。
すぐに私は妙なことを想像したが―――
連れて行かれた先は普通の高級ビジネスホテル。
私と修二様はそこで再び車を降りた。

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如月 純史 -